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天涯の船 

天涯上天涯下


天涯の船

著者:玉岡かおる
価格:上 1,680円 下 1,785円
   (文庫は上 660円 下 700円)
出版社:新潮社(新潮文庫)


時代は江戸、姫路藩家老のお姫様の身代わりとなり海を渡った少女の生涯を描く物語。

物語は船がモチーフとなった1つのアンティークジュエリーから始まります。
職人の手により美しくかわいらしい細工の施された「船」は、一人の日本人女性の激動の生涯へとつながってゆきます。
 
 
話の主柱は主人公「ミサオ」の恋なのですが、恋以上の何かがこの話にはありました。
下巻はちょっと昼メロに傾きそうになるあやうさもあるのですが、それでも、そんなあやうさからあと一歩のところで引き返して最後まで読みきった後はゴールデン長編ドラマな印象が残りました。

私がこの本のページをめくったのは「あとがき」を読んだからでした。

しあわせだったのは、私が物語を創り出す者だったことだ。史実がどれほど味気なく色あせた残骸でしかなくとも、想像力という動力で進む私の船は、そこにあざやかな色をほどこし、温かな血の通うふくらみを加え、はるかな物語へと漕ぎ出すことができる。不自由ながらもその一生のうちには、しあわせやよろこび、希望などもかならずあったにちがいない女たちの物語の海へ。
私の書斎の机の上に、その水先案内の少女が降りてきた。想像によって命を吹き込まれたミサオである。人生の転変、歴史の力にきしみながらも、懸命に地を這い、成長していく彼女とともに、私自身、現実の三年をそそぎこんだ。それはすなわち、彼女たちが愛しささえた男たちのみならず、時代そのものを描く航海だった。
―「天涯の船」あとがきより抜粋―


運命とは本当に不思議なものですが、「事実は小説より奇なり」という言葉があるとおり、一見なんの変哲もないように見える、生けるものの数だけある運命も、実はとても不思議で奇妙で、ドラマチックなものなのかもしれません。

ミサオの人生が幸せだったのか否かは読み手にゆだねられます。そして著者は「幸せの居場所は本当に皮肉なもの」とも言っています。

「ミサオ」との長い船旅は期待以上に面白いものでした。
女性が描く女性の生涯は、男性が描くものとまた違った一面があり、そこらへんも楽しませてもらいました。
この時代の人はバイタリティがあるなぁ・・・なんて関心してしまうのですけれども、ふと思えば、たかが百余年前の同じ日本人の生き様なんですよね。なんだかとても不思議な感じがします。
 
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[2008/12/20 21:09] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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