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箱舟の航海日誌 

箱舟の航海日誌

箱舟の航海日誌

著者:
価格:580円(税込)
出版社:光文社(光文社古典新訳文庫)

ノアの箱舟に禁断の肉食を知る生き物のスカブが紛れ込んだことから、順風満帆にいくかと思われた航海が一転する物語。
 
 
 
そういえば、よくよく考えてみると、「ノアの箱舟」って肉食獣や草食獣が一緒の舟に乗っているのに、どうして骨肉の争いにならなかったのだろうと不思議なのですが、そんな疑問が納得できる物語です。
(動物園みたいにオリに入ってましたとかそういうのじゃなくて。)

子供向けの古典作品らしいのですが、なかなかどうして、大人も考えるところが深い話になってます。
題材からして宗教色の濃い話なのですが、きれいにまとまらないラストがなんともいえず。

「禁断の肉食」を唯一知るスカブという存在が、とにかく不気味に描かれていて、うまいんです。
実態がありそうでなさそうなスカブは、誰もが気づかない間に舟にもぐりこみ、そして誰もが気づかないうちに去っていくという、ともすれば実態のないものとして描かれており、そういった描写は心の隙間に入り込む悪意を連想させるのです。(指輪物語のゴクリみたいな存在でもあるかも。)

洪水が起こる前は・・・果物を食べ仲良く暮らしてた動物達・・・・・・それがスカブの出現により、今のように肉食と草食に分かれてしまい、純粋無垢の象徴だったナナジュナナという動物はスカブの脅威におびえ、舟から去ってしまう。(そして、おそらく絶滅してしまう。)

世界を守るために箱舟の航海を決意したノアでしたが、せっかく洪水を乗り切ったというのに、そのすえに見た光景は、動物達の仲間割れと守りたかった愛すべきもの(ナナジュナナ)の絶滅で、最後の最後でノアは苦悩してしまうのです。

洪水を乗り切って陸に降りた動物達は、舟に乗る前の面影はもはやかけらもなく、肉食に目覚めたものは草食動物を追い、仲間割れをさせた張本人のスカブはその時はもはや姿形もない。スカブが登場した時は、スカブが肉を求めているのかと思いきや、スカブは唯一の肉食者であらゆる生物から忌み嫌われていた自分の仲間を求め、肉食の道にひきずりこむことが目的だったのです。

人間の社会でもこういう場面は多々ありますよね。

著者のウォーカーは泌尿器科の医師なのだそうです。ちょっと意外。

箱舟に興味がある方は是非ご一読ください。
 
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[2009/03/11 23:33] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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