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川の名前 

川の名前

川の名前

著者:川端 裕人
価格:735円(税込)
出版社:早川書房(ハヤカワ文庫)


一昨日の埼玉~掛川の鈍行列車の旅の友。
旅の友に適した一冊だと思います。とてもおすすめ。
こういった物語を読むと、明治時代の「廃藩置県」や、昨今の「市町村合併」が歴史的節目の中でも大きなマイナス要素なのではないかと思わずにはいられません。
 
 
最初から廃藩置県だの市町村合併だのの言葉を並べてしまいましたが、別に小難しい話じゃないんです。ストーリー自体は読みやすくて面白いのでご安心を(笑)
ただ、訴えかけられることがそれだけ深いんです。シンプルなんだけどね、シンプルなことほど深いのです。


それぞれが家庭に事情を持つ現代っ子のカワガキ(川ガキ)4人が、とあることから川を舞台に冒険する物語。明日が夏休みというところから物語りは始まり、自由研究のため、川っぺりに出現する不思議生物を追いかけるところから展開していきます。

何度も書いているかとは思いますが、川端さんの描く子どもたちのなんと活き活きとしていること。
すごく冷静に子どもをよく観ている人なのだと思います。
子どもだけでなく、人間そのものをよく観察しているのだろうなぁと思います。

子どもたちは意外な場所で意外なモノに遭遇しますが、このモノが子どもたちを人間的に大きく成長させてゆくのです。そのモノは、子どもたちを成長させようなんて意図はまったくないのに、子どもたちは独自のアンテナでそこから大切なものを学び、自ら自分の力で成長してゆくのです。こういう子どもアンテナって、大人になると存在が薄くなっちゃうんだよね・・・。たま~にアンテナの向きとタイミングが合うと、大人でも子どもに戻れる一瞬があるんですけど、子どもは年中無休でアンテナ100%受信状態ですからね。子どもアンテナ、いいなー、欲しいなー(笑)

この物語で冒険を繰り広げる4人が、どの子もそれぞれ強烈なコンプレックスを抱え、完璧じゃないってところがまたこの物語を一層面白くしていて、なおかつ、そこが成長ののびしろにもなっています。
この子どもたちを取り囲む個性派の大人がいい味を出しているのですが、決して子どもたちよりは前に出ず、あくまでも引き立て役。

しかし、最初にも書きましたが、土地や川の名前には小さいものから大きいものまでそれなりにわけへだてなく理由があり、出来るべくしてそこに自然に出来たものであるという基本的なことを、そしてその大切さを改めて考えさせられてしまいます。
この物語のキーワードは「足元を見よ」。つまり、目には見えなくとも、私達の足元のコンクリートの下にかつては多くの生物を育んでいたであろう埋められてしまった川が存在するかもしれないのです。

ジブリ映画の「千と千尋の神隠し」に登場するハクという少年も『饒速水琥珀主(にぎはやみこはくぬし)』という川の神様という設定で、忘れてしまった名前を取り戻すというお話でしたが、「名前」というのは本来大切なものなのだと、この「川の名前」でも理屈ぬきで感覚的に感じられると思います。

4人のカワガキたちが、最後に自分の川とともに新たな自分を見つけてゆく様や、失ったものを糧に大きく成長する様は、まさに川が流れるがごとくの一気読み。

一番衝撃的だったのは「黒のビキニパンツ」!(本作を読めばそのうち出てきます)

本を閉じたときに「私の川はなんだろう?」と、誰もが思ってしまうのではないでしょうか。
大人だけではなく、アンテナ100%の子どもたちにも読んでほしいなーと思う物語でした。
 
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[2009/03/24 22:20] 書籍 | TB(0) | CM(3)

あっ、この本!

本屋さんで手にとって、読みたいなあと思ったんだけどお財布が許してくれなくて、そっと本棚に戻した本です(笑)

平成の大合併はひと段落したみたいだけど、福岡でももとの名前がなんだったのか全然わからない地名になっていたりして、なんだか寂しい気分になります。
高校の名前もしかり。
選抜高校野球真っ最中だけど、知らない学校だー、と思っていたら歴史のある学校の校名が変わっていた、なんてこともしばしば。

においと記憶が連動するように、名前と思い出も連動するものですよね。
時代とともに失われるものはもちろんたくさんあるんだけど、リアルタイムだと喪失感が・・・ね(涙)
[2009/03/25 15:25] よっしぃ [ 編集 ]

よっしぃさん>>

確かに!言われてみれば、学校の名前もしかりですね!
時代の流れで常に変化し続ける中だからこそ「いつまでも変わらないもの」の存在って大切にしたいですよね。

それにしても、書籍って本当に高いですよね。
今日、どうしても読みたい小説を2冊購入してしまったのですが、約1,500円。もうちょっと図書館が遅くまでやってれば、平日でも本を借りられるのだけれど・・・。

[2009/03/26 23:18] mino_rin [ 編集 ]

真央さま

20歳にしてそのコメント、望まずとも十二分に無茶苦茶だと思いますよ。
[2009/03/26 23:19] mino_rin [ 編集 ]

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