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悼む人 

悼む人


悼む人

著者:天童 荒太
価格:1,700円(税込)
出版社:文藝春秋社
 文藝春秋『悼む人』特設サイト

おすすめ度:★★★★☆(3.8ぐらい)

直木賞受賞作。
図書館の順番がまわってきて、やっと「悼(いた)む人」を手に取ることができました。
(気になって書店であとがきぐらいは立ち読みしてたけど。)

なんとも、賛否両論分かれそうであるなーというところですが、この人の本はもれなく賛否両論になりそうな色全開ですのでそれは置いておいて、この作品もやっぱり暗い、けれど読んでしまいました。
天童荒太が生み出す物語の多くは、混沌とした闇的な背景が感じられますが、個人的には嫌いではない、むしろ好き・・・というよりも惹きつけられる感覚細胞みたいなものがあるのかもしれません。
 
 
 
私が天童荒太が好きなのはどうでもいいのですが、まず「悼む人」というタイトルが、いかにも「きちゃったコレ」というようなタイトルで、この天童荒太以外ではありえないタイトルだけでもう衝撃的。
そしてこの表紙。でも、残念ながら、帯のチープな宣伝文句がいただけず。
この帯の宣伝文句を考えた人は本当にこの本を読んだのかと思うぐらい。


物語は主人公の坂築静人(さかつきしずと)の旅の足跡が、末期癌と戦う静人の母・坂築巡子、夫を殺し服役を終えた奈義倖世(なぎゆきよ)、嫌われ者の記者・蒔野抗太郎(まきのこうたろう)それぞれの視点が付かず離れずしてつむがれてゆきます。

個人的には静人の旅を書いてしまうと面白くないと思うので、読んでみようかと思われている方は、ページをくくって確認して欲しいと思います。

タイトルにもある「悼む」という言葉から、この物語のテーマに「死」ということが少なからず織り込まれていることは想像に難くありませんが、この物語は1つの「死」という現象に人間がどれだけ人間としてそれを受け止められるかが登場人物それぞれの視点から描かれています。
昔、何かの授業で、人間が動物と違うのは「愛」と「友情」という感情が存在することなどと聞いたような記憶がありますが、誕生と死というのはこの世にある全ての生命に平等に与えられる現象で、その限りなく原始的な現象にどう向き合うかということはつきつめればきりがなく、この物語も静人の旅と一緒で、答えのないまま終わったような終わらないようなそんな物語になってます。
著者もまだ静人とともに旅の途中なのでしょう。

というわけで、大幅に加筆修正されてパワーアップするであろう(してほしい)文庫版に期待をこめて3.8点。
(今回からわかりやすく点数をつけてみることにしました。)

個人的には奈義倖世さんとその夫である朔也さんはもうちょっとどうにか描き方があったのではないかなぁ・・・と思いました。良くも悪くも、この2人がこの物語を生かしもしてるし殺しもしてるような気がする。
母・坂築巡子がいずれ迎えるであろう「死」と、倖世に殺された朔也が拘泥した「生まれ変わり」は、あえて対象的状況に置くことで遠すぎて実は近い感覚を醸し出しており、それが物語のテーマ
となっているように思えたのは良かったのですが、最後がもうちょっとじっくりでも良かったと感じました。(むしろ、最後こそじっくり書いて欲しかった。)

まだこの物語が生まれたばかりだからでしょうけれど、個人的には家族狩りのほうが、読んでいてリアルに胸に迫るものがありました。


――誰に愛され、また誰を愛していたか、どんなことで人に感謝されていたか――

この物語で淡々と繰り返される言葉ですが、帯はこの言葉で良かったのではないかな。



そして、すごく余談ですが、この物語をドラマ化するなら静人は堺雅人。
堺雅人に挑戦してほしいなー。
 
 
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[2009/09/29 23:32] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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