スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

[--/--/-- --:--] スポンサー広告 | トラックバック(-) | コメント(-)

あの戦争から遠く離れて 

あの戦争から遠く離れて

あの戦争から遠く離れて

著者:城戸久枝
価格:1,680円(税込)
出版社:情報センター出版局

オススメ度 ★★★★★(4.8ぐらい)


年末にNHKで再放送されていた「遥かなる絆」をご覧になった方もいるかと思いますが、その原作本です。
ノンフィクションの中のノンフィクション。
父親のたどってきた道を娘が追い、娘が文字にしたからこそこの本は繋がる命の不思議がありありと伝わるのだと思います。ドラマを見て心をゆさぶられた方、是非とも原作も手に取ってみてください。
私も含め、戦争から遠い世代にも読んでほしい1冊です。
 
 
 
NHKドラマの「遥かなる絆」というドラマのタイトルも秀逸です。
NHKはこういうところを外さないよね。
まさにこの物語は世代と国境を越えた「家族の絆」の物語なのです。

著者の城戸久枝さんは1970年に中国残留孤児として帰国した城戸幹氏のお嬢さんで、大学生になって自分が知ることのなかった父親の中国での足跡をたどることになるのですが、中国と日本の微妙な関係や、戦争の暗い影、辛い歴史の狭間で揺れたり、父親の中国の家族・親友の暖かさに触れたり、それらの戸惑いをひたむきに受け止め、若者の言葉で淡々と綴ってゆくところがこの作品の良いところだと個人的には思います。
当事者であるお父さんの視点ではないとわからないことがあるように、お嬢さんである久枝さんの視点でないと見えないことがこの本には綴られています。

私は、ドラマももちろん見ましたが、この本を読んで、
「中国残留孤児って最近聞かないなぁ」
ということと
「中国残留孤児がなんであんなに騒ぎ騒がれるんだろうって思ってたよなぁ」
(今となっては失礼極まりない話なのですけれど。)
ということを改めて思い返してしまいました。
それだけ戦争から時がたち、そして私のようなおばさん世代でも戦争の教育を受けてないってことなんです。
私の記憶では、戦争は「道徳」にはなるけど「歴史」にはならなかったような気がするんだよね。
それは差別問題も同じで、そこに至るには絶対にそれなりの歴史があるはずなんだけど、「人として許されないことはやってはいけません」みたいな道徳教育で、そこに至る過程に原因と答えがあるはずなのに、その肝心要な部分は、教科書には一応掲載されているものの消化試合みたいな申し訳程度の授業で終わってたような記憶しかないのです。
ですので、この本を読んで非常にショックでした。自分の国のことなのに対岸ところか地球の裏側の火事程度の認識しかないなんて!と。

著者の父親である城戸幹氏が、文化大革命の中、何故、命をかけてまで日本への帰国に執着したのか、そして帰国の途に至るまでの喜びと苦悩は、戦争を知らない私にもぐっとくるものがありました。

「祖国」

今の日本人はこの言葉をあまり使いませんが、この言葉のなんと重いことか。

そしてもう一点は、命をかけて城戸幹氏に寄り添ってくれた中国の養父母とその友人達です。
この絆の強さは並大抵ではありません。
中国人は家族を大切にするけれど、その理由が城戸幹氏が孫玉福として育った過程を見て少しわかったような気がしました。

帰国し、結婚し、子供を授かり、父になり、すっかり日本で城戸幹となってから時折見せる孫玉福としての涙にも胸が切なくなります。

また、中国に留学した久枝さんに会い、「私達には強い縁がある」と言ったシュンカさんの言葉にもはっとさせられます。
「有縁分(ヨウユェンフェン=縁がある)」
この時代と国境を越えた強い縁(絆)に支えられたからこそこの物語は生まれた。
城戸幹氏が「日本の両親を探す」と言い出した時は「海の中に落ちた針を拾うようなもの」と言われたそうですが、縁とはつくづく不思議なものだと思わずにはいられませんでした。


私はこの本を図書館で借りたのですが多くの人が、何度も何度も読み返したであろう跡が本には残っていてなんだかホッとしました。
この本を読んでみようと思ったきっかけになるドラマをきちんと製作してくれたNHKにも感謝。

ドラマを見た方にもそうでない方にもおすすめの1冊です。
私の中では間違いなく2009ドキュメンタリーNo1。
ちなみに書籍とともにドラマもオススメです。
 
 
スポンサーサイト

[2010/01/07 23:28] 書籍 | TB(0) | CM(0)

コメントの投稿















管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

この記事のトラックバックURL
http://minorin.blog2.fc2.com/tb.php/1403-559f89a5


上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。