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終末のフール 

終末のフール

終末のフール

著者:伊坂 幸太郎
価格:1,470円(税込)
出版社:集英社

★★★☆☆(久々に伊坂幸太郎作品を読んだけれど、なんだからしくない)


Today is the first day of the rest of your life
(今日という日は残された日々の最初の1日)

小惑星の衝突により、あと3年で世界が終わる状況下で生きる人々を描いたオムニバス作品。
「8年後に地球は滅亡します」という発表から5年が経過し、社会の大混乱が小康状態になりつつある状況に生きる人々それぞれの終末と向き合う姿勢が局地的人間関係をリンクさせつつ描かれております。
 
 
 
読後、まず感じたのは、
「伊坂幸太郎、普通の人になってきたかなー」
でした。

ラッシュライフの頃に比べると緻密さがなくなったというか。
あの頃は、厳選され、吟味された言葉が作品を構成している感じがしたけれど、この作品はサクサクっと読めました。軽い感じ。オムニバスだからかもしれないけれど。

世の終わりに直面した人類は、大パニックの坩堝となって、強奪や殺人、自殺や暴徒化などお約束どおりの道をたどった後、なんだかちょっと疲れて、地獄絵図のようだった大混乱が小康状態になってからの話なのだけれど、そんな世の中のパニックを生き延びた人々はみなさんどこかマイペース。でも、こういう人が生き残るんだろうなぁという感覚はなんとなく理解できるような気がしました。マイペースゆえ、ブレないのね。惑わされないのです。
普通に生きてても(小惑星の衝突がなくても)いつかは死ぬし、明日死ぬかもしれないとわかっている人たち。

「自分の生きた証を残す」な~んてありがちな考えははこれっぽっちもなくて、とりあえず今日1日が終わってまた明日も来たらいつもと同じように過ごして、その日も終わったらまた明日も・・・の繰り返し。
でも、それが生きるってことなのよね。

読んでいくうちに、「あと3年」のカウントダウンをいつの間にか忘れるから面白いのです。
彼らは心のどこかで「あと3年」を常に意識しているのだけれども、3年も先のことを今考えたってしょうがない的な感覚に自分だったらなれるかどうか。

でも、明日が高校受験という前の晩に勉強するつもりが、いつの間にか夜が明けるまで部屋の大掃除をしていた私は意外といけるかもしれないなんて思ったり。
おそらく最初はドカーンと派手にショックを受けて、あれもこれもとかいろいろ考えるのだろうけど、結局気づいたら、発見されたら恥ずかしいものの隠滅もかねてやっぱり大掃除をしている気がする。この世の終末なんだから、発見する人もいなきゃ、万が一発見されたとしても、その時は自分はいない確率のほうが限りなく高いにもかかわらず、きっとそんなこたぁわかっているんだが・・・と思いながらせいを出して大掃除してる予感。高校受験前夜と同じように。

登場人物は伊坂作品らしくみな飄々としているのだけれども、個人的に好きなのは、マンション屋上にはりきって櫓(やぐら)を建てる渡部さん(だったと思う)のお父さん。
こういう時のお年寄りパワーって凄くて素敵。
終末を迎えるって時に、「おなかすいたら力も出ないわさ」とか言いつつ、せっせとおにぎりを握れるようなお婆さんに、私もなれたらいいなぁなんて思うのでした。
 
 
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[2010/07/23 23:03] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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