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密やかな結晶 

密やかな結晶

密やかな結晶

著者:小川 洋子
価格:
出版社:講談社(講談社文庫)

オススメ度:★★★☆☆(透明ではいけれど無色な感覚 静かで幻想的な世界観)


関西への鈍行の旅で呼んだ本。
「記憶」がテーマの話です。
帯のとおり
"何をなくしたのか私にもわからない"
ままに、何かを失っていく悲しみが淡々と描かれています。
 
 
 
着想は素晴らしいというか、小川洋子らしい!

でも、私は「猫を抱いて象と泳ぐ」の世界観のほうが好みでした。
同じ、静かで淡々と紡がれる物語ですが、リトル・アリョーヒンのシンプルさのほうが好き。

でも、この話、今の私ですから「幻想的だな~」と思えますが、年を重ねたら誰もが経験するかもしれず、遠い世界の話ではないのです。
目が覚めたら、目の前の人が誰だかわからない、でも自分にとってとても大切な人のような気がする。
家族の顔すら忘れてしまう時をいつか自分は迎えるかもしれない。
昨日大切にしていたものが今日はガラクタになるかもしれない。
そう思うと、この物語はファンタジーでは終わらなくなるのです。

でも、読み手は普通に「不思議な話だなぁ」でいいと思います。


舞台はとある島。島民は「記憶狩り」によって次々と記憶を奪われていく。
中には記憶が失われない【危険分子】もいたりして、秘密警察によって常に監視され、それとわかってしまうと、強制連行される。
小説家の主人は、陶芸家の母を持ち、母は、自分の作品に忘却の彼方に消されたくないものを少しずつ埋め込んでは隠す。一方小説家の主人公は、記憶を失わず秘密警察に追われる編集者をかくまうが・・・
というのがおおまかなすじとなってます。


お母さんの友人の教授、フェリーのおじいさん、気の利いた小物や質素だけれど美味しそうなお料理はやはり健在で、この独特の世界観にハナを添えています。

記憶失うことに慣れてしまった島民や主人公は、記憶を失うことそのものに対してそれほど恐怖や苦痛はないのですが、それでも、ラストは考えさせられます。忘れていくことと覚え続けていること、どちらが幸せなのかわからなくなるから。

もしかしたら、読み手も「何を失ったのかわからない」な状況になっているかもしれません。

不思議な世界観に浸りたい方にはオススメですが、どっぷりと感情移入する類の話ではないので、浅~くお楽しみください。
 
 
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[2010/08/30 23:13] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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