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空色勾玉 

空色勾玉

空色勾玉(そらいろまがたま)

著者:荻原 規子
価格:1,785円(税込)
出版社:徳間書店

オススメ度 ★★★★☆(日本の古代神話の世界が舞台のファンタジー)


「ひとりは「闇」の血筋に生まれ、輝く不死の「光」にこがれた。
ひとりは「光」の宮の奥、縛められて「闇」を夢見た。」

福武書店さんの帯の文句の素晴らしいこと。書籍への愛を強く感じます。物語はまさにこの言葉のとおり。

イザナギ・イザナミ・アマテラス・ツクヨミ・スサノオあたりが連想される日本の古代神話をもとに描かれたファンタジーとなっておりますので、ここらへんに興味がある方にはオススメです。

まだ日本の大地を神々が歩いていた時代、村娘として育てられた水の乙女である狭也と、神として生まれながらも異形として育てられた風の若子である雅羽矢(ちはや)が、出会い、苦悩し、摸索しながらお互いを知り、自分たちの生きる道を見つけ出す壮大な物語。
 
 
 
大まかなあらすじは先に書いたとおりですが、登場人物がもれなく生き生きしている様が効果的に描かれています。挿絵があるわけではないのだけれども、リアルに登場人物の姿が頭に浮かぶのは、著者さんの力量の賜物だと思います。
とかくリアルに想像しにくい古代神話世界、しかもWikipediaに掲載されているような、浮世絵チックなイザナミやイザナギを見たところであらかたの人は私と同じく「・・・・・・・」な感じだと思われますが、この物語は、基本が簡潔で明確な分、光と闇がしっかり描かれていてかなりわかりやすいです。
登場人物はみな漢字ではありますが、全編に渡ってルビがふられてますので、読みにくいということもないかと思います。

物語の舞台は豊葦原。そこは、輝(かぐ)の大御神と闇(くら)の大御神の両軍が戦う戦乱の世。
物語の主人公である狭也は闇の巫女姫、そして彼女が出会う雅羽矢は輝の末子という設定になってます。
村娘として育てられた狭也が十五になった祭りの夜に月代王(つきしろのおおきみ:雅羽矢の兄)に見出されることから展開していきます。
器用で冷静沈着、しなやかな弓の使い手である月代王、そしてその双子の姉である照日王(てるひのおおきみ)は絶対的自信家かつ我侭で冷徹と、とにかくわかりやすい。

この物語に出てくる登場人物でフ~ラフラフ~ラフラ迷子になっているのは、後にも先にも狭也と雅羽矢だけなのであります(笑)

艶やかで耽美な輝の氏族の世界では、地上の物は食べ過ぎるとよくないとされていたり、変若(おち)を繰り返すことによる死とは無縁の世界が描かれている一方、闇の氏族の世界は、死による再生やたたらの製鉄などが描かれていたりと、場面場面も人物以上にわかりやすく光と闇を描いてます。

物語のクライマックスで雅羽矢が父親である輝の大御神に1つだけお願い事をするのだけれども、それがすごくピュアなんだけどかなり深いんだよね。電車の中で読んでいて泣きそうになりました。

幼い主人公の2人があらぶる神々相手に戦い、傷つき、迷い、苦しんだ末に見出した明日への道がいかなるものであったかは、是非とも本書でご確認ください。

ちなみに、この空色勾玉は勾玉シリーズ三部作のうちの一作目だそうで、二作目、三作目も図書館にオーダーをいれました。

物語の底辺はバナナ神話的なんですけど、ハッピーバナナです。どうりでアメリカで大絶賛なわけです。

個人的には、闇の氏族の伊吹王(いぶきのおおきみ)が好きだなぁ。
雅羽矢のお願いには泣きそうになりましたが、伊吹王にはしっかり泣かされましたよ。
こういう人特有の心意気で世の中の超危機的場面って救われることがあるのよね。
登場する神々よりよっぽど器が大きいし。

二作目・三作目といまだ順番待ち状態ですが、二作目はヤマトタケルがベースになっているとか。
読んだら、またここでご紹介したいと思います。
 
 
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[2010/10/27 22:57] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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