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白鳥異伝 

白鳥異伝上 白鳥異伝下

白鳥異伝

著者:荻原 規子
価格:上下巻各660円(税込)
出版社:徳間書店(徳間文庫)

オススメ度 ★★★★★(ヤマトタケル伝説をベースに描かれたファンタジー)


「空色勾玉」に続く勾玉シリーズ第二部。
古の日本の大地を神々が歩く時代から時が過ぎた豊葦原。
主人公は、橘の家に生まれた遠子(とおこ)と、赤ん坊のころに拾われ、遠子と双子のように育った小倶那(おぐな)。
この二人が、互いの宿命に翻弄され、傷つきながらも、ひたむきに己の運命に立ち向かっていく壮大な物語。
 
 

 
「空色勾玉」も面白かったのですが、白鳥異伝はさらに壮大になっていて読み応えもあります。
各章に添えられている歌も効果的。

出てくる登場人物が、神々から人に近くなっているということもあり、とても魅力的。
ヤマトタケル伝説をご存知の方は想像がつくかと思いますが、クマソからエミシまで行動範囲もぐっと広がり、土地柄や民族の個性も楽しめます。

主人公の遠子と小倶那は三野(みの)で育ちますが、遠子は男勝りでおてんばな女の子、小倶那は自分の意思を持たないおとなしい男の子とまるで正反対。のびのびと幸せに育つ2人でしたが、三野の橘(たちばな)一族の長子である明姫(あかるひめ)がまほろばの大王へ召されることから2人の運命も大きく動き出します。
自分の出生の秘密を知り、恐ろしい力を宿す大蛇(おろち)の剣の主となった小倶那は、慕っていた大碓(おおうす)皇子を殺め、故郷である三野を焼いてしまいます。一方、遠子は、全国に散った橘一族が守り伝える勾玉を探し出して、玉の御統(みすまる)の主になるべく、失意のうちに決意を持って旅に出るのですが・・・というのが大体の筋。

ヤマトタケル伝説にからめてあるので、伝説をご存知の方はスラっと読めるかと思いますし、知らない方にも楽しんでいただける物語になっていると思います。アニメ化されたら面白そう。

ただ、伝説にからめているだけではなくて、人間に必要なことがごくごくシンプルなメッセージとして織り交ぜられている点も個人的にはとても心に響きました。
人間の弱さだったり強さだったり、親との葛藤や、自立が描かれており、小倶那は自分をひたすら探し求めるのですが、そこには絶対的に遠子という存在が必要不可欠だったりして、若者が成長する上で多かれ少なかれぶつかるであろう壁がよく描かれているなぁと感心しきりでした。

なんだか途中で何度か涙しちゃいましたよ。電車の中で読まなくて良かった。

この主人公の2人以外にも、小倶那を拾い遠子と一緒に育てた遠子の母である真刀野(まとの)、まほろばの大王へ召される明姫、まほろばの大王の長子である大碓皇子とその家臣の七掬(ななつか)、後に奇妙な縁をともにする伊津母(いづも)で出会う菅流(すがる)など魅力的な登場人物がさらに物語を盛り上げます。
個人的には菅流(すがる)が好きかなー。実際にいたらどうしようもないヤツだと思うところもありますが(笑)

神の物語はたいがいは残酷で、この物語もまた残酷なのですが、その残酷さだったり犠牲だったりを回避せず、これだけの物語にしたというところもなかなかだと思います。神様って、慈愛とか意外とないのよね。どっちかといえば生贄なんて要求してみたりして荒くれ者に近いような感じ。でも、ギリシャ神話にしても、日本の荒ぶる神々の神話にしても似たようなものだから不思議なのよね。

読まれるときは、暖かいお茶でも用意して、時間のある時にどっぷりとひたってくださいませという感じです。


勾玉3部作の最後「薄紅天女」も楽しみです。
 
  
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[2011/01/24 23:05] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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