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薄紅天女 

薄紅天女上 薄紅天女下

薄紅天女

著者:荻原 規子
価格:上巻・下巻ともに 620円(税込)
出版社:徳間書店(徳間文庫)

オススメ度:★★★★☆(勾玉三部作の三作目。時代はもう少し進んで坂上田村麻呂の時代)


主人公は東に育った出生に秘密を抱える阿高(あたか)、そして西で危機を迎える天皇の皇女である苑上(そのえ)。今回は勾玉を持つのが女性から男性になります。
時代は坂上田村麻呂が征夷大将軍となる少し手前。
空色勾玉」では古代神話→「白鳥異伝」では英雄伝説ときて、今回のテーマは蝦夷系かと思いきや、怨霊系。
 
 
 
阿高の出生を書いちゃえば話は早いのですが、ネタバレになってしまうので控えたいと思います。

坂上田村麻呂は以前ここでも紹介した「火怨-北の燿星アテルイ-」にも登場しますが、コチラの物語でもたいへん好人物として描かれています。

主人公の阿高は生まれてまもなく父母ともになくし、祖父の実家で、同じ年である祖父の末息子の藤太(とうた)と育ちます。何事もなく青年になった二人の前に、ある日、坂上田村麻呂があらわれたことから運命は徐々に動き出すのですが、蝦夷のアテルイなども登場するので、ここらへんの歴史におぼえのある方には面白いかもしれません。

結局、阿高は自分の運命を知り、受け入れ、立ち向かおうと都に向かいますが、同い年で双子のように育った藤太や、幼馴染でおっちょこちょいの広梨(ひろなし)や、同じく幼馴染で博識豊かで賢い茂里(しげさと)がこれまたすごくいいやつらなの。

一方、朝廷側は、坂上田村麻呂をはじめ、藤原薬子が男装の麗人となって、仲成を名乗って男社会の中で武官職について活躍していたりして、少し乙女たちが喜びそうな設定になっていたり。
後に空海となる設定の無空という坊さんも飄々としている変わり者設定で、物語が東北から都に移っても楽しめます。

ここらへんの時代になると、かつては神であった天皇も神からはかなり遠くなり、神と裏表の怨霊を生み出してしまうまでになっているのよね。(神的パワーがないと怨霊を生み出すことは難しいのだろうけれど。)

また、それを蝦夷との対比で描いている部分もなかなか面白いと思いました。
形だけの崇拝となっている都の天皇家と、崇拝の心がいまだ暮らしに根付き残っている蝦夷と。
(阿高や藤太は、都と蝦夷の間の坂東にて育つわけですが。)

モロにラストを書くわけにはいきませんが(笑)、個人的にはラストの感覚はもののけ姫をもうちょっとメルヘンチックにした感じかな。悲しいけれど、神代の時代との決別をもって、人間がまた新たなステージに一歩踏み出していくというような感じ。ラストへの持って行き方は好感でした。

ラストには更級日記の竹芝伝説も絡んでいるようで。
(私は「更級日記」自体うろ覚えなのですが、竹芝伝説の内容はコチラ
その筋をインターネットでカチャカチャと調べたら、なんとびっくり、その竹芝伝説のお寺である竹芝寺の跡地に現在建っているのが、三田の済海寺じゃないですか。

先々週ぐらいに、TBSの「噂の東京マガジン」にて檀家問題で取材拒否だったお寺じゃないの!驚き。(Bの寺が済海寺さん)
というわけで、職場からも比較的近いので、機会があったら見にいってみよう。

話がそれましたが、なかなか面白い三部作でした。どっちかといえば、三部作通じて乙女度高しですので、男性の方にはちょっと物足りないかもしれません。

ですが、三部作に共通して言えるのは、人は自分と向き合わねばならぬ試練が必ずあり、それにはなんらかの痛みや犠牲が伴うこと、そして、必ずそれを支えてくれるものがいて、またその支えは必要不可欠であることなんですよね。歴史の変遷は人の人生にもまた重なるような気がしました。

三部作ですので、お盆やお正月休みにちょうどいいかも。
やや乙女寄りですが、なんのなんの、大人も十分楽しめます。
三部作とも文庫になっておりますので、お見かけの際は是非パラっとめくってみてください。
順番は、やはり歴史順に、空色→白鳥→薄紅で読まれることをおすすめします。
 
 
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[2011/02/08 23:56] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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