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クライマーズ・ハイ 

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クライマーズ・ハイ

著者:横山 秀夫
価格:1650円(税込)
出版社:文藝春秋


著者自身の上毛新聞記者時代に遭遇した誰もがご存知の御巣鷹山日航機墜落事故取材の体験を元に綴られた小説です。
分類はミステリーになっていますが、一般的なミステリーとは一味も二味も違う趣向になってます。


40歳の主人公を通して様々な状況や人がとにかくせわしなく、一刻の猶予も許さず去来していきます。「地方新聞社」という独特な立場とそれに携わる人々、お決まりパターンの社長やどうにもならない上司、命がけの取材をする向こう見ずな若い記者、明日一緒に山を登るはずだったのに突然植物状態になってしまった心を許せる同僚とその息子、そしてつかみどころのない自分の息子や、事故に遭った被害者の遺族など、挙げればキリがないのですが、

本を読んでいるというより、今ここにドラマを見ている感覚

に近い感覚があり、読むことを中断させてくれません。
常に対極の立場にあるもの同士のぶつかり合いや双方の思いが連鎖してゆき、何が正しくて、何が正しくないのかなんて1つもないのです。
それぞれがそれぞれに自分の信念を持ち、それを貫ているだけに読むほうも本当に苦しい思いをします。

ただこの本を読み終えると何が正しいか、何が間違っているかなんて自分が決められることではないのかもしれない。でも、だからこそ自分が信じた道を進めば、それが社会的に評価されようがされまいが、それが自分にとって一番いいことなのかもしれないと思えると思います。
また、人生には失敗が必ずあって、それが墓場まで引きずりそうな失敗であっても、そこに信念があれば、時間がかかっても、どんな形であっても許容してくれる人というのは必ずいるものなのかもしれないと思えます。

ただ、熱くて、いさみ足気味なので、クールな方はどうかな~?と思われるかもしれません。ミステリーを目的に購入された方も少しガッカリかも?
私はこういう話は基本的に好きなので、こんなところで意外に当たった!と思ったのですが。

女性よりも男性のほうが(それも寝る間も惜しむぐらい忙しい方!)グっとくるものがあるかもしれません。

時折、シーンによっては美化されていたりする部分もあるにはありますが、それは著者が純粋に何かを強く訴えたかったのだと思います。私は小説の中ぐらいそういうのもアリだよねと思うタイプなので、そんなに気にはなりませんでした。

もう1つ、御巣鷹山日航機墜落事故や山岳を目的として読むにはオススメはできません。前にも書きましたが、ドラマを見ているような感覚というのはすなわち人にピントが合っているわけで、御巣鷹山日航機墜落事故や山岳もその人の後ろのぼやけた背景程度かと思われます。

なので、残念ながら20年後30年後まで強烈におぼえているかと問われれば「う~ん・・・・」と曖昧な返事になってしまうのですが、前にも書いたとおり読むのを中断するのを許してはくれないぐらい面白かったことは確かです。
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[2005/09/09 23:52] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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