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預言の子ラノッホ 

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預言の子ラノッホ
著者:Clement‐Davies,David
訳者:多賀京子
価格:3150円
出版社:徳間書店


この本は静かに面白いストーリー。
表紙絵の鹿がこの物語の主人公のラノッホ。
久しぶりに動物ものの物語を読みましたが、「ウォーターシップ・ダウンのウサギたち」という話も好きだったのですが、この話もNHKあたりがアニメ化してくれないかなぁ・・・・・・。


物語の舞台は古代スコットランド。スコットランドという国がまだスコーシアと呼ばれていた緑豊かな時代にラノッホは鹿の憧れでもある群れを守る「野守(のもり)」の隊長ブレッヘンという鹿の子どもとしてこの世に生を受けます。

ですが、その頃ちょうど鹿の群れの中で自然や森、鹿の掟を破って残虐な独裁をする鹿たちが現れます。ラノッホがこの世に生をうけたその夜に掟破りの鹿たちは叛乱を起こし、ラノッホの父ブレッヘンはその最期まで野守の誇りにかけて戦いますが、ついに力尽きてしまいます。

一方生をうけたブレッヘンの子どもラノッホの額には鹿の世界で伝説となっている預言の印である白いオークの葉の模様が。
このことが独裁をする鹿に知れたらラノッホの命はありません。
ラノッホの母親やその仲間、鹿の長老達が知恵を絞ってラノッホをかくまい、そして逃がします。生まれたての小さな子鹿に「預言」が導く希望をたくして・・・こうしてラノッホの長い旅は始まります。

と、こんな始まりなのですが、このラノッホの旅が本当にとてつもなく長いのです。
ただ、そのとんでもなく長い旅の物語も読むのにはそんなに苦ではありません。その情景や世界が作者の文章によってありありと感じられます。(訳者の多賀京子さんの訳がお上手!)
鹿の世界の話だけかと思いきや、このラノッホはたくさんの動物たちと触れ合ってゆきます。そして自分は何者で、預言はどういう意味なのかを追い求めてゆきます。そんな中でラノッホが自然や森や鹿の古きよき掟を、本来の世界を守るために犠牲にしなければならないものは果たして何であったのか、預言の意味するところの真意が次第に明らかになってゆきます。

ラノッホが旅の途中で自分達の敵である狼を助け、狼から狼の話を聞くくだりで印象的だった部分がありますので、一部ご紹介したいと思います。

引用はじめ-----------------------------------------------------

「じゃあ、お前のことを話しておくれよ」
オオカミはへんなことを言うやつだ、といわんばかりにラノッホを見たが、やがてうなずいた。
「よし、いいだろう」
ラノッホはオオカミに近づき、音を立てて落ちる滝のそばでオオカミの話を聞いた。大きな群れをつくり、高い山々を駆ける兄弟たちのこと。兄弟たちの遠吠えと狩りのようす。それからきびしい冬になり、地面が固く凍ると、ごわごわした冬毛がびっしりびっしりと生えること。北の山のすそで仲間にはぐれ、雪の中を何日もさまよい、一匹も獲物のにおいががしなかったときは、死ぬかと思ったこと。
ラノッホは、オオカミの狩りの話に、体をふるわせた。オオカミは、獲物のどんな痕跡をさがすか、どのように追いつめ倒すか、死体の分け前をどのように決め、どんな争いが起こるかを話した。また何日も獲物が見つからないと、小さな野うさぎ一匹でも捕まえられれば、ありがたくうれしいのだとも言った。
また、雌オオカミの目は光り、山の頂で出会う嵐はとても恐ろしく、連れ合いを求めて駆けまわるときは心からの喜びに満たされるのだと言った。子どもを大切にすることや、子どもが雪の中をころげまわって遊び、疲れたら巣穴に駆けもどって小さな銀色の鼻づらを母親の毛に埋めることも話した。オオカミは生死をかけて戦うしかない、と風に教えられると、とてもさみしくなって遠吠えをするということも。
オオカミは話しながら、うなったり毛を逆立てたりしはじめた。自分のいた棲みかや自分のいた世界を思い出したのだ。オオカミは口数少なくなり、そのうち黙りこくった。2頭の動物は、ただ流れ落ちる滝の音を聞いていた。
次の朝、ラノッホは木の実をとりに早くから出かけ、もどるとオオカミは前脚に頭をのせて寝そべっていた。ラノッホは滝つぼまで駆けおり、オオカミのいる平らな岩に近づこうとした。オオカミがうなりはじめた。首のうしろの毛を逆立て、急に背中を丸めると、難なく4本の足で立ちあがった。ラノッホは、すくみあがった。
「走るな。逃げてもむだだ」
オオカミは、冷たい声で、よどみなくささやいた。

---------------------------------------------------引用終わり


この続きが気になる方は是非本編でどうぞ(笑)

こういったオオカミのくだりだけでも、かなりその雰囲気が伝わると思います。この本、児童書の分類ではありますが、大人が読んでも十分楽しめると思います。日本では夜、子どもの傍らで両親が物語を読んで聞かせるという光景はなかなかなじみがないかと思われますが、小学校低学年でも読み聞かせならば感覚的に何かを感じ取れる話だと思いますし、お子さんと一緒に楽しむ1冊としてもオススメです。
大部分のシーンは冬の山が舞台となっておりますので、今の時期にもピッタリかもしれません。
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[2006/02/16 22:55] 書籍 | TB(0) | CM(2)

めっちゃくちゃ気になるっ!!(笑)

mino_rinさんは、いつもどうやってこんな面白そうな本を探し当てるんですか?

訳が上手というのは、とっても大事なことですよね。
翻訳本を読みたくても、文章のマズさに
途中でくじけたことが何度もあります。
いくらなんでも「~候」はないだろう…(ノ_-;)
原本が読めるといちばん良いのでしょうけれど。

このオオカミの描写は素晴らしいです。
引用の仕方もね(笑)
[2006/02/17 22:31] よっしぃ [ 編集 ]

よっしぃさん>>カンです(笑)

カンなのですが、好調と不調の波があって、面白いと思う本に出会えないときはさっぱり出会えません(;ー;)

この本は表紙を開けたところの大雑把な説明文&著者からの日本の読者へのメッセージを読んで、借りてみました。

なんでも読後に調べたところによると、海外では大ベストセラーだそうで、
おそらく日本の各地の図書館にも定番で置いてあると思われますので、見かけた際には、是非、引用の続きを読んでみてください(笑)

本当に和訳本や映画の字幕など、訳者によってはガラリと違う話になってしまいますから、逆に原作がイマイチでも翻訳次第によって面白くなってる話も多々あるかと思います。
本当に原文が読めたらいいのですけれどもねぇ・・・!!
でも、読めたら読めたで、原書のお値段のよさに苦悩してしまうかも(笑)
[2006/02/18 01:44] mino_rin [ 編集 ]

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