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向日葵の咲かない夏 

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向日葵の咲かない夏

著者:道尾秀介
価格:1,680円
出版社:新潮社

サイコ?ホラー?サスペンス?ミステリー?位置づけの難しい一冊です。個人的には「ドグラ・マグラ」に似た感覚を受けましたので、「怪奇小説」とでもしておきましょうか。


ねえ、生まれ変わりって信じる?
部屋に戻ったら、自殺したはずのS君が来てたんだ。
ただ、その姿っていうのが・・・。


見開きにある本文からの一部分の抜粋にピンと来て借りてみましたが、これはですね、賛否両論が「ドグラ・マグラ」並みに別れそうな1冊でございます。

私はこの書籍を何の前知識もなく借りたのですが、上記抜粋を読んで高校生か大学生が主人公の話だと何故か勝手に想像してしまったので、まず主人公ミチオとS君が小学生(それも9歳)ということに驚きました。
ちなみに主人公ミチオと行動を共にする主人公の妹ミカは3歳。

3歳なのに、小中学生みたいな会話をするんですよ、この妹ミカちゃんは。
なぜ彼女がこんなに大人びた会話をするのかも後の展開の複線の1つなんです。

もう少しだけ書くと、自殺後に突然あらわれたS君が「ボクは殺されたんだ。」と告白したことから、主人公ミチオくん、妹のミカちゃん、S君を中心に話が展開していきます。ここまでだとさわやか一夏少年冒険ストーリーをちらっと想像しちゃったりするのですが、そんなさわやか少年うんちゃらとは真反対の方向へ物語りはまっしぐらに進んでいきます。

とにかく、よく複線のはりめぐらされた話だと感心しました。
これだけ複線がはりめぐらされているのに、それがかえって混乱が混乱を呼び何とも言い表しがたいカオス理論のようなけだるさになっていくわけです。

色々書きたいのですが、最初からトラップだらけなので、何かを書けば敏感な方にはそれがネタバレになってしまう状態。

物語冒頭は、不快指数90パーセントで湿度が異常に高いのに喉がカラカラのような重苦しい雰囲気でスタート。
でも、すぐに場面はガラリと変わり、懐かしい日本の夏へ場面展開してゆきます。

子どもが主人公なので、ドグラ・マグラと違って格段に読みやすいのですが、時折クラっとさせられたりドキっとさせられたり。
ただ、この話には現代の社会に潜伏する見えない病巣が絶妙に織り込まれていると感じました。ホラーな要素もスプラッタではなく精神的にきます。

昨晩、夜中に読んですごく後悔しました。怖くてトイレに行くのにも小心者の私は「ひ~」な状態。
しばらく百葉箱には近寄れません・・・(涙)<本当に怖がりなのよね。

どっぷりと読む時間がある方は、最初から「実はこうなのか?」「ああなのか?」とじっくり考えながら読んでみてください。それでもきっと最後には「!!!」と思わされてしまうでしょう。
この作品は謎解きが主じゃありません、そして謎がとけてなお残るなんとも言えない異次元感覚、それこそがこの作品の決して表にはしゃしゃり出ない本当の主題なのでしょう。

それにしても主人公ミチオは著者の苗字「道尾」と同音、だとしたらS君のSは「秀介」なのかしら??
ストーリー以外にも謎の多き1冊です。
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[2006/04/10 23:21] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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