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夜中に犬に起こった奇妙な事件 

20060511223415.jpg夜中に犬に起こった奇妙な事件

著者:マーク・ハッドン
   小尾芙佐(翻訳)
価格:1,785円(税込)
出版社:早川書房

癖がありますが、非常に面白い本でした。
主人公は15歳のクリストファー・ブーン。数学と物理学が天才クラスの自閉症児で、イギリスのスウィンドンに父親と2人暮らし。
ある日近所の犬が何者かに殺されたことから、その事件の謎を追っていく冒険の中でクリストファーは大きく成長していきます。

この物語はとにかく徹頭徹尾「クリストファー目線」で書かれています。私は翻訳されたものを読みましたが、原作は英語初心者にも読めるような簡単な英語なのだそうです。

ちなみに翻訳者である小尾さんはベストセラーなったダニエル・キイスの"アルジャーノンに花束を"の翻訳をされた方。

犬の事件も非常に気になるところですが、メインが殺犬事件ではなく、事件はクリストファーの世界がいい意味でも悪い意味でも大きく広がるきっかけにすぎません。

クリストファーの「クリストファールール」にのっとった思考回路があの手この手と様々な表現方法で表現されており、それは読者にも十分理解できるものです。

物語の随所に出てくる天才クリストファーの持つ数学薀蓄なども非常に興味深いものになっていて、数学が苦手な方でも面白いと感じてもらえるのではないかな~と思います。
ちなみに、この物語の執筆者はクリストファーという設定になっておりますので、物語の章も素数が用いられています。
(2、3、5、7、11、13、17、19・・・・233まで)

その数学の薀蓄の中で、特に私が個人的に面白いと思ったものを1つご紹介したいと思います。どうぞ考えてみてください。
クリストファーが本書の中で紹介する"モンティ・ホール問題"より

あなたがテレビのゲーム番組に出るとする。このゲーム番組の目的は、賞品の車をあてることだ。ゲーム番組の司会者はあなたに3つの扉を見せる。司会者はこの3つの扉のうちの1つのうしろに車があり、残りの2つの扉のうしろにはヤギがいるという。司会者はまず1つの扉を選ぶようにという。あなたは扉を1つ選ぶけれど、それは開けてもらえない。それから司会者はあなたが選ばなかった扉の1つを開けてヤギを見せる(なぜなら司会者はその扉の向こうになにがあるか知っている)。それから司会者は、あなたが残りの扉を開けて車かヤギのどちらかを手に入れる前に1度だけ考えを変えてもいいという。そこで司会者はあなたに、考えを変えてもう1つの開けていない扉を選ぶかどうかたずねる。あなたはどうすべきか?

さて、あなただったらどうしますか?
これね、日常はこういうフェイクにあふれていて、なおかつ自分はそこそこの知能があって騙されないと思っている人にほど見えないフェイクなんです。クリストファーからするとなぜこんな明確な論理を直感というフィルターに邪魔されて見えなくなってしまう人が多いのかということになり、自閉症児のクリストファーに見えるものが、自閉症ではない人間の半数以上に見えていないということになるわけです。

答えが気になりますか?確率は五分五分?それは残念ながら正解ではありません。答え合わせは本書の中でどうぞ。

本書とは関係ないのですが、実は私は数学が得意なほうでしたが、空間図形などが好きで、確率問題は数学の中で一番嫌ってました。
だって、確率が見えてくると世の中つまらなくなりそうでしょ?
「あ~、今クラスに35人、前回まで誰と、誰と、誰が先生にあてられてるから、今日私があたる確率は・・・」というせせこましいことから、「私が80歳まで生きる確率は・・・」という長いことまで、どう考えても「わかっちゃったら面白くないネガティブな分野である」と思っていたのです。ですが、この問題を見て確率に抱いていたイメージが一変しました。もうちょっとはやく出会っていたらもうちょっと数学の成績が良かったかも?(笑)

話が逸れましたが、こういった面白い薀蓄もこの物語の随所に自然な形でちりばめられています。

また、クリストファーは「素数とは人生の様なものだ」とも言ってます。それはとても論理的なものだが、たとえ一生をかけてもその法則を見つけることはできない、と。

クリストファーが自分の出来ることを1つ1つ反芻しながら賢明に目の前の苦難を丁寧にクリアしていく過程は、自閉症などの疾病うんぬんではなく私たち人間が生きていく上でも基本的なことであり通じるものがあり、この物語の最後の一文にそれがよくあらわれています。

最初に書いたとおり、クリストファー目線のクリストファー言葉で淡々と語られるので、少し癖がありますが、自閉症という症状をご存知の方、ご存知でない方問わず読んで欲しい1冊です。
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[2006/05/11 23:31] 書籍 | TB(0) | CM(2)

ワタクシ、確率ほど苦手なものはございません(笑)
聞けば聞くほどわからないの。
中学校の数学の先生が最悪で、教科書を全部教え終わることができなくて、
確率を習ってないから…なんて言い訳したりして(でも、実話なんですよ、コレ。)
答えを見て納得するかは別として、答えが知りたくてたまりませんよ、もう(笑)

そうそう。ようやくこの前読みました、アルジャーノン。
あれも、もっと早く読んでいればもう少し違う読み方をしたかもしれないなー…と思いました。
[2006/05/12 21:15] よっしぃ [ 編集 ]

よっしぃさん>>同じだ~(驚き!)

私も数学の授業で確率は駆け足でした。
一応ざっと教科書をなぞっただけで、関数や因数に比べたら確率は殆どやってないも等しいです。確率は数学の中でもそんなに重要ではないのかしら?

生命保険の職業などは、それこそ日々確率や統計の分析の繰り返しの上に成り立つお商売だと思うので、それなりに重要だとは思うのですけれどもね(・ー・;;
(確率統計が苦手な私には絶対生命保険屋はできない・・・。)

是非、答えを確かめてみてください。
目からウロコとはまさにこのことです。
直感という名の思い込みの盲点を久しぶりに意識しました。本文にも書かれていますが、こういった直感を人間が働かせる時は、人が人生を決定する場面が多く、こういった盲点の意識があるかないかで人生そのものが変わると思うと、なかなかどうして学校の授業ではないがしろにされがちな確率も重要に思えてきます。
[2006/05/13 03:18] mino_rin [ 編集 ]

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