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夏の庭 

20060514000848.jpg夏の庭
著者:湯本 香樹実
価格:420円(税込)
出版社:新潮社(新潮文庫)

この作品は大人よりも子どもに読んで欲しい作品です。(もちろん大人にも読んで欲しい作品です。)
子どもの純粋さと残酷さと強さが短い話の中に凝縮されています。
子どもって日々成長しちゃうんだねーということが、そして子どもは大人が手を入れるのではなく、子ども自身の力で成長するということが(それこそが本当に子どもにとって身になる成長なのだということが)簡単な言葉でストレートに伝わります。


あまりパっとしない小学校6年生の仲良し3人組の男子の一人が身内の死に遭遇したことから仲良し3人組は死について興味を持ちます。(興味というところが子ども独特の残酷さ。)

そして近所の廃屋に住む死にそう(だという噂)のおじいさんの死を見るべくおじいさんを見張り始めるのですが、3人の思惑とはウラハラにおじいさんはどんどん元気になり、3人組との交流が始まります。

おじいさんは親や学校が教えてくれない様々なことを3人組に教えますが、基本的にこども達自身に何事もやらせます。自分は見ているだけ。

このおじいさんと3人組の交流が短い期間ではありますが3人組の一生の思い出に残るであろう宝物のような時間で、3人組はこの交流を通してたった一夏で本当に大きく成長します。
子どもって一夏にこんなに成長するんだなーってしみじと考えさせられてしまいます。この子達に比べたら私はなんて時間の無駄遣いばかりしているのだろうとも言えます。

昔聞いた言葉で
「大人は死んだことを頭で受け入れるけれど、子どもは死んだことを感覚で受け入れる」
という言葉がありましたが、まさにその言葉が蘇るような作品でした。
大人は「死」ということを呼吸が停止したから死んだというように脳(頭)で考えて理解しますが、子どもは「自分の目の前からいなくなってしまった」「話しかけてもお返事をしてくれない」「目の前から突然いなくなってしまった」という感覚で理解します。子どものほうがよほど大人より現実的なのです。

こういう本来持ち合わせている繊細な感覚、失いたくはないけれど、繊細すぎても世の中に負けてしまうし本当に難しいところです。
ですが、こういう作品に触れて、あの頃の感覚が少しでも心の中に灯ればいいなぁとそんなように思えます。

ちょうど子どもから大人への階段を上り始める小学校6年生、そして小学校最後の夏休みという設定がこの作品により切なさをくわえています。

知らない人は疑ってかかりなさいという世知辛い世の中ではありますが、できれば子供たちにこういう経験を、自ら一歩を踏み出して自分で何かを掴むという経験をして欲しいと思うと同時に、子どもがのびのびとたくさんのことを経験できる社会にしなければならないななんて考えさせられる作品でした。
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[2006/05/13 23:57] 書籍 | TB(1) | CM(0)

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夏の庭(湯本香樹実)

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[2006/06/03 13:31] URL ひろの東本西走!?
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