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木のぼり男爵 

20060525220537.jpg木のぼり男爵

著者:イタロ カルヴィーノ 米川良夫(訳)
価格:1,239円(税込)
出版社:白水社(白水Uブックス)

-ただあのように生きることによってしか、彼には語ることができなかったのだ。あのように冷酷なまでに、死ぬまで自己を貫くことによって、初めて彼は万人のためになにものかを与えることができたのだ。-
いきなり本文引用でごめんなさい。

個人的にはとても面白い1冊でした。かなり古い話なので(ということは翻訳文も現代的ではないわけで)、それに慣れるまで読みづらいと思われるかもしれないのですが、なんというか、いわゆるあるえない!という設定の中に当時にありがちな風刺なども盛り込まれていて、難しく考えなくてもそれが感覚で感じ取れるような内容になってます。単純ながら奥が深いお話。

「木のぼり男爵」というタイトルのとおり、このお話の主人公はその生涯のほとんどを木の上で暮らし、その命の最後まで決して地上に足をつけることはありませんでした。彼の名前はコジモ。イタリアの男爵家の嫡男で、12歳の時にエスカルゴ(かたつむり)料理を拒否して木の上で暮らすことを宣言し、12歳から後の一生を木の上で過ごします。
(この設定がもはや「ありえない」のだけれど・・・・。)

語り手はコジモの弟のビアージョ。

この本を読んでいて鮮明に頭に浮かんだのは、「海の上のピアニスト」という映画なのですが、この映画をご覧になって良いと思われた方は(私もこの映画、大好きなんです)是非、この"木のぼり男爵"を読まれることをおすすめします。この作品中にも弟のビアージョが主人公のコジモに

「一生を海で過ごしたものだって、船からおりる年があるんだ。」

と語りかけるシーンがあります。

ちなみに本作もイタリア人作家さんのお話ですが、海の上のピアニストもイタリア人監督さんによる映画となっています。

海の上のピアニストは、海の上で生まれ、そのまま客船に捨てられ、そこで機関士に拾われて海の上に育ち、たぐいまれなるピアノの才能を開花させて一生海から陸におりることはなかった伝説のピアニストの話ですが、本作品の主人公コジモにかなり重なります。

ピアニストもコジモも地におりないのではなくおりることができないのです。様々な人からもてはやされ、友人が出来たり恋をしたりもするのですが、みんないずれは地上に去ってゆく・・・その時の切ないまでの耐え難い孤独が本作品にもよく描かれています。
それでも最初の引用文にあるとおり、コジモは"死ぬまで自己を貫くことによって、初めて彼は万人のためになにものかを与えることができた"のです。
ピアニストの場合は、孤独との対極にあるものがたぐいまれなるピアノの才能で、万人に素晴らしい旋律を奏で続けたわけです。

ピノキオなどの話などもかなり風刺が盛り込まれていて、イタリア人って陽気でのーてんきに見えるけれどけっこう皮肉屋さん?なんて思ったりしてしまいますが、その皮肉の中にもロマンやポリシーがあったりして、やっぱりイタリア人はひねた情熱家肌なのだなぁなんて感じてしまうのでありました。

ちなみに、ピアニストはその命が尽きても、結局陸におりる(地に足をつける)ことはありませんでしたが、本作品の主人公コジモは木の上にて命の終わりがきた後、はたして地に足をつけることはあったのでしょうか?是非本作品で彼の最後をお確かめください。
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[2006/05/25 22:11] 書籍 | TB(0) | CM(2)

あーっ!!これ読みたかったのに忘れてたっ!!
mino_rinさん、思い出させてくれてありがとう(笑)
よし。次回はこれだ。
これから図書館に『タイムトラベラーズ・ワイフ』を取りに行きます。
やっと手持ちの本を読み終えたのでした。
うふふ。楽しみ~♪
[2006/05/27 14:32] よっしぃ [ 編集 ]

よっしぃさん>>面白かったですよ~!

この本、なかなか面白かったですよ~!!
さすがよっしぃさんのチェックが入っているだけあります(笑)

主人公のコジモが木の上で生き生きと暮らす様子は、
もしかしたら木の上で暮らそうと思えば暮らせるかもしれない
と思わせるものがあります。

もし、ご覧になっていなかったら、合わせて"海の上のピアニスト"という映画もオススメです。あまりに状況がこの作品とかぶっていたので、本当にびっくりしました!

[2006/05/27 23:22] mino_rin [ 編集 ]

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