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小美代姐さん花乱万丈 

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小美代姐さん花乱万丈

著者:群 ようこ
価格:1,470円(530円)
出版社:集英社(集英社文庫)


主人公、西村美代子の女の一生を描いた物語。

教養や美貌こそはないけれど、苦しい時代や逆境を、芸と心で明るく小気味よく乗り越え、素直に生きた、たくましくて一生懸命な女性のお話。

 
 
時は大正十四年――――
年も明けた一月五日に、東京は浅草のとある長屋で、慎重150cm体重38kgの小柄な”ふじ”は、たったのニ息という超スーパー安産で、一貫三百目以上(おおよそ4kg前後?)もある女の子を出産。産湯の盥(タライ)におさまりきらないその大きな女の子の赤ん坊にお産婆のウメさんもびっくり。

実は西村家にとって、この女の子は6人目の子どもで、上5人は流産したり、生後間もなくなくなったり。

「今度こそは元気に育ってもらいたい」

こんな両親の願いのとおり、美代子と名づけられたこの赤ん坊は、たいして大きな病気もせずすくすく成長。
ところが、右手だけがちょいと不便で、お医者には「手術をすれば治る」と言われるが、下手に手術して何かあってもいけないと、両親はそれきりそのまま放置。

美代子が生まれた後、妹、弟も生まれ、5歳の美代子は体が丈夫でない母になりかわって、家事のお手伝い。
小学校にあがるが、心無い同級生からは「ぎっちょ」とからかい半分ののしられ、学校の先生には目の敵にされる日々。絵やお裁縫を一生懸命やっても、「左手」というだけで成績はいつも「丙」「丙」「丙」。
それでも美代子はへこたれない。先生に叱られて廊下に立たされても、ただ立たされているのは時間がもったいないからと家に戻って洗濯。それを終わらせて時間どおりに廊下に戻ってまた立つ。

幸い、美代子に厳しい大人は学校の先生ぐらいのもので、町のご近所の大人たちは、かいがいしく母の手伝いをする気立てのいい美代子をたいへんにかわがってくれて、美代子は素直に成長。

小学校で「学校も勉強ももうこりごりだ~」と思った美代子は小学校卒業と同時に、かねてよりあこがれていた「芸者」を目指すため、家を出ることを宣言。母親は泣いて反対するものの、父親は何も言わず送り出し、こうして12歳にして美代子の「芸者」人生がスタートする。

ざっと、こんなはじまりなのですが、とにかく、時代背景(戦争)も手伝って、美代子さんは苦労の連続。
それでも美代子さんは絶対下を向かないんですよ。下を向くことを知らないから。
いつも前だけを向いている。晩年になってほんのチラリとだけ後ろを見るものの、次の瞬間には笑い飛ばしちゃう。
美代子さんの人生は常に苦労ですが、それと同時に常に笑いの群ようこ節。
ともすれば暗い話しになってしまいそうなのですが、下町人情ときっぷの良さが湿りそうな日陰にカラっと風を通し、時には、おてとうさまの光なんか差し込んだり。

美代子と違ってちゃっかり屋の妹や、吉原通いが大好きだけれど、絶対に家族には迷惑をかけないお父さんなど、家族も個性ゆたか。

普通は18歳ぐらいで1本になる芸者相場の中、三味線も上手だった美代子は14歳で1本デビューするものの、14歳なのに「30歳くらいに見えるわね」と言われたり、初めての水揚げで「お風呂に入ったときのお父ちゃんのと違ーう。やだー、やだー」と半狂乱になったり、笑えるシーンもてんこ盛りなので、力を抜いて読むことが出来ると思います。美代子さん、すごく愛らしい意味で「天然」ってやつなんです。

涙がとまらないとか、せまりくる感動はないのですが、群ようこらしい、肩の力を入れず読むことができる本ですので、疲れた休日にちょっぴりホロリとしたい方におすすめです。
 
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[2008/02/04 20:45] 未分類 | TB(0) | CM(0)

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