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奇跡の自転車 The Memory of Running 

奇跡の自転車
奇跡の自転車
著者:ロン・マクラーティ 訳者:森田 義信
価格:2,730円(税込)
出版社:新潮社


正直、読み始めて12、13節(100ページ前後)ぐらいまでは、なんなんだ・・・・この面白くない話はと、しょっぱなから辟易してしまったのですが、13節過ぎぐらいから、のび太レベルに間が悪く不器用な主人公がどうなってしまうのかが心配で、なかばドラえもんのような気持ちで最後まで読んでしまいました。
結果、とてもいい本でした。
 
 
個人的感想を書いたら、思いがけず長めになったため、先に、この本が出版されるにいたった経緯をご紹介したいと思います。

交通事故で大怪我を負ったことからベッド暮らしを余儀なくされたスティーブン・キングが、自身のコラムで「読むことのできない最高の本」と大絶賛したのが、当時オーディオ・ブックだった「The Memory of Running」(「奇跡の自転車」)で、
「このコラムの読者はぜひ、このオーディオ・ブックを注文してほしい。歴史ってやつを作ってみようじゃないか。もし注文が殺到すれば、この作品は本として出版されるかもしれない」
という彼のコラムが発表されるやいなや、印刷物としての発行が決まったらしいです。
作家のロン・マクラーティは、作家として独立生計を営めず、役者になり、ドラマ「セックス・アンド・ザ・シティー」や映画「ポストマン」に出演。(訳者あとがきより)
ちなみに、本作品は、映画化も決まっているそうです。

こんな経緯をを見ると、「ちょっと読んでみようかな」って気になります?(笑)
私は、めずらしくあとがきを読まず(「死の泉」で容易にあとがきを読めなくなりまして)、図書館でなんとなく借りた本で(新品みたいにきれいだったし(笑))、スティーブン・キング云々を知らないまま読んだのですが、途中で放り出さなくてよかったです。
100ページ以上読んでイライラしっぱなしだと、お肌によくないのでサヨナラしてしまうことが多いのですが・・・危ない危ない。

以降は個人的感想です。

主人公の言い回しがいちいち回りくどいんです・・・・・アメリカらしいといえばそれまでなのですが。だから読むのに疲れる。こちらが疲れていて身も心も余裕のない時は、本に向かって「だから何?要点は!」と、言いたくなってしまうような感じ。
でも、主人公自身が間が悪くて不器用なやつですから、簡潔に要点をまとめられないのはいたしかたのないことで、そこはぐっと我慢して、ラジオドラマのように1日15分とか、1日1節と決めて、淡々と読むといいかもしれません。

主人公のスミシー(スミスソン)・アイドは43歳の男性。体重126kg。家族は両親と失踪中の姉ベサニー。
両親を交通事故で失ったばかりの彼の元に届いたのは、失踪中の姉ベサニーの死亡通知。一度に家族を失い一人ぼっちになってしまった彼は、少年時代の思い出の自転車にフラリとまたがり、そのまま旅へ。
ロード・アイランド州プロビデンスからカリフォルニア州ロサンジェルスのヴェニスまで(!)の自転車の旅の途中で、主人公は様々なことを思い出し、そして様々な人々に出会うわけですが(終始この繰り返し)、長い旅を終えた彼が自転車のペダルから足を離した時、彼の停滞していた人生の車輪がゆっくりと回りはじめる―――そんな雰囲気を漂わせて物語は終わります。

私は冒頭に「ドラえもん」のような気持ちでと書きましたが、それは、彼にも「しずかちゃん」的な女性が存在するからで、この女性にあたるところの、主人公のお隣さんで幼馴染のノーマが、この物語が進む上で、とても効果的な存在になってます。

主人公が大陸横断の旅の中で、どんな風に変化してゆくのか。その変化に泣けるのです。ひたすら静かに感動。
主人公はぶっちゃけ、冴えないデブです。ですが、旅の先には大きく変わった主人公の姿があります。ノーマ風に言えば「何1つ変わってはいない」のですが、人間が1段上がったというかなんというか。
主人公は決して悪いヤツじゃない。でも、いかしたヤツでもない。
ごくごく普通の人で、家庭の事情により色々なことに対してちょっと無関心なだけ。
人生をただなんとなく生きている主人公は、善良で、どこにでもいる人。
訳者の森田さんのあとがきにもある「主人公のスミシーと自分はなんら変わらない」の言葉のとおり、私も、そしてどこかにいるあなたたちもスミシーとなんら変わりなく、だからこそ、しだいにスミシーの旅を応援せずにはいられなくなり、スミシーが善良な人に出会えたならよかったと微笑み、運悪くどうしようもない人にばったり出会ってしまった時は人間のクズが!と激怒するように、いつの間にかそうなっているのです。

最初の100ページまでが我慢なのですが、スミシーの自転車の動きが軽くなってくると、読み手の気持ちも比例して軽快になってきますので、興味がある方は最初の100ページまで頑張ってください。
最後まで読んで損はない本です。

ちなみに、精神科の先生いわく、この本は非常によく書かれている本だそうです。
私はその道のプロではありませんので、精神科系統の話というと、「ビリー・ミリガン」(こちらも、今年度、映画が公開されるようですが)に代表されるダニエル・キイスあたりが読みやすいと感じてしまうのですが、本作品では「統合失調症」が非常にリアルに描かれているそうです。

あと、「奇跡の自転車」ってタイトルはどうかなぁ・・・・・私だったら「走路のかなた」あたりにしたいところかな~なんて思いました。

それにしても、何度も出てくるツナサンドが、やらたおいしそうだったな~。
週末のお昼は神父さんレシピのツナサンドにバナナ(もしくはリンゴ)にして、「奇跡の自転車ランチパック」にしてみようかな。

参考
ロード・アイランド州とカリフォルニア州
mapwhite-奇跡


(地図:「アメリカ大陸30000km・ドライブと地理」様より)
※全ての州名が記載された地図もこちらにありますので、読むときはご参考にしてみてください。
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[2008/02/15 22:00] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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