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幻世(まぼろよ)の祈り -家族狩り-第一部 

家族狩り1
幻世(まぼろよ)の祈り -家族狩り-第一部

著者:天童荒太
価格:500円(税込)
出版社:新潮社(新潮文庫)


今年の殿堂本2-第一部です。「死の泉」に続いて暗く重い話なのですが、こんな時代だからこそたくさんの人に読んでもらいたい作品です。五部作で読むのを躊躇される方も多いと思いますが、第一部をためしにめくってみて、面白そうだったら先を続けてくださいと、お願いしたい作品です。第一部だけでもどうかページをくくってみてください。
 
 
[感想の前に]
私は、失礼ながら「家族狩り」の95年度版を読んでいないのですが、文庫版はオリジナル版(95年度版)と同タイトルの書き下ろしとないっているようです。五部作となっておりますが、独立しても楽しめるよう筆者による配慮があった上で、なおかつ月1冊刊行だったそうです。あとがきでそれを知りまして、第一部のあとがきを読むまでは、五部作まとめて感想をUPしようかと思っていたのですが、こういった経緯のある作品ですので、1冊ずつUPしようと思った次第です。


読もうかな、買おうかな、「永遠の仔」は聞いたことがあるけれど、天童荒太って読んだことないのよね・・・・・

そんな方、この「幻世の祈り」の"あとがきにかえて"を読んでみてください。
筆者によるものですが、筆者の作り手としての真摯な姿が作品同様にじみ出ています。
筆者は記しています。
いま現在、日々を懸命に生きている人々に、届ける必要がある物語や言葉は何か。
それが作り手としての最も重要な創作動機であり出発点です。

と。


「いま現在」は滾々と流転しつつ変化をなし、決して同じ状態ではとどまってくれないがゆえの筆者の決断がそこにはあり、私は天童荒太さんという作家さんに改めて好感を持ちました。


物語の内容は、日本の社会問題、とりわけ家族に関する問題がテーマとなっていて、様々な登場人物が登場し、登場人物各人の目線での問題へのアプローチが描かれていきます。そして、登場人物各人自身も家族に問題を抱える人々であり、各人が持つそれぞれの立場や価値観や個性がわかりやすく設定されていると同時に、それらが微妙な接点を見え隠れしつつ第一部は終了。長い五部作の序奏といったとことでしょうか。

家族にかかわらず、とても難しい物事ほど、実はものすごく簡単であるかもしれないと、個人的には思うのですが、やはり相手のあることは自分だけが頑張ってもどうにかできる問題ではないですから、社会や、その社会の最小単位である家族の難しさはそこらへんにあるのではなかろうかと思います。

本当に暗くて重い、でも1冊読み終えてしまいます。リアルに感じられるんですよね。状況が、心境が、表情が、空気が。そして読むのをやめられなくなってしまうのです。第一部はあっという間に終わると思います。

本屋さんで、あとがきをめくって、筆者のひととなりに共感できる何かを感じたら、是非とも読んでみてください。間違いなくおすすめできる作品です。
 
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[2008/04/07 23:19] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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