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贈られた手 -家族狩り-第三部 

家族狩り3
贈られた手 -家族狩り-第三部

著者:天童荒太
価格:500円(税込)
出版社:新潮社(新潮文庫)


長い家族狩りのシリーズもいよいよ半分の折り返し地点です。
物語が坂道を下るように自然に加速し、もうこの物語の長さは感じなくなってきます。あとは車輪が回るまま、足が自然と前に出るままに道なりに下るだけ。登場人物たちを繋ぐ糸も絶妙に絡まりあい、ミステリー的な要素も強くなってきました。
 
 
読むことをやめられません。麻薬のような本です。
朝から通勤電車で人の心の闇を垣間見るなんて、テンションが下がりそうなんですけどね。
ところがどっこい、読まずにはいられない。どんなに眠たい朝でも、ひとたび家族狩りワールドに足を踏み入れたら埼玉の片田舎から23区までの時間があっという間です。
主要登場人物の人生の歯車の回転に少し変化のあらわれる第三部は、主要登場人物たちの身近なものたちにもまた変化をもたらしてゆきます。

人が生きることの何が正で何が誤なのか。答えはないんです。
安易にわかりやすい勧善懲悪に傾倒したがるマスコミ報道の浅はかさなどが流す程度に描写されていたり、無責任で無関心な社会のやりきれなさなどもうまく描かれていて、考えさせられるというより、それらを感じさせられるんです、この物語の文字から。

それにしても、不器用なんです。登場人物たちのなんと不器用なこと。
必至で生きているのに、不器用がゆえに、貧乏くじをひいたあげくに、周囲から簡単に蔑まれてしまう。もう、読んでいて切ないことこの上ないです。
言葉は悪いですが、ひたむきに生きているにもかかわらず、そこらへんの無責任野郎たちや、無関心人間どもに、人間失格に相当しそうな烙印を押されてしまう。
この本を読んだ後は人に対する見方が変わりそうです。
この本の登場人物たちが実際にいたら、まさに「うざったい」存在以外のなにものでもないでしょう。ですが、この本を読んだ後では「うざったい」なんて思えないと思います。

生きるって本当にたいへんなことだと、さまざまな人が必死にもがきながらそれぞれの人生をつむいでいること、こんな当たり前のことを、改めてつくづく思い知らされました。
たいへんすぎて、人と関わることさえ時として嫌になる、けど人間は一人じゃ生きられない。あるいはもっと割り切った、一見、楽に見える賢い生き方があるのかもしれない。でも、人工芝は青い芝の代わりにはやっぱりならなくて、「命あるもの」には命を感じさせる何かがあり、命を捨てて生きることはできない。

不器用な登場人物たちを、この先どんな未来が待ち受けるのか・・・・・。

第四部に続きます。
 
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[2008/04/09 23:26] 書籍 | TB(0) | CM(0)

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